抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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キャピラリー電気泳動-質量分析計(CE-MS)を用い,これまで測定されていなかった成分も含めて,炊飯米中の代謝物質を一斉定量し,「メタボローム解析」をした。個々の品種の炊飯米に含まれる代謝物質の含有率の特徴(メタボロームプロファイル)が,新しい食味評価法確立につながると共に,遺伝解析から育種に応用できる可能性がある。供試材料には78品種を用い,炊飯米から水:メタノール:クロロフォルム=1:1:0.4の溶媒で代謝物質を抽出後,水画分を限外濾過したものを分析試料とした。分析試料は,CE-TOFMS(キャピラリー電気泳動-飛行時間型質量分析計)に供したほか,LC-MS/MS(液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析計)で糖類を定量した。CE-TOFMSとLC-MS/MSで検出された163ピークグループのうち,全試料に共通の16代謝物質を解析に使用した。各物質の含有率を試料78点の平均値でみると,糖類ではグルコースが最も高く,次いでスクロース,フルクトース,マルトースの順だった。糖類以外では,チアミンが最も多く,次いでアラトイン,アスパラギン酸,グルタミン酸,クエン酸,リンゴ酸,アラニン,アスパラギンと続いた。次に,試料78点ごとの46代謝物質の含有率をZスコアに変換後,ソフトウェアMeVTM4を使って,ユークリッド距離に基づいて,クラスタリングし,ヒートマップ表示で可視化した。78×46ヒートマップに加え,代謝物質別に食味評価8項目の相関を見た。作成したヒートマップを用いて,味が異なる品種間のアミノ酸,有機酸,糖類の含有率を比較した。品種つや姫のメタボロームプロファイルを遺伝系譜と関係付けて,解析した。