抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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乳癌の発生に内臓脂肪型肥満や大豆などの食事性因子がどのように関与しているかを動物実験,細胞実験,症例対照研究により検討した。EMS誘導乳癌ラットでの研究では,大豆イソフラボンであるゲニスタイン(GEN)は日本人の標準的GEN摂取量にあわせた低投与量から,その数百倍の高投与量でもホルモン依存性乳癌の発症を抑制できなかった。また内臓肥満ラットが乳癌を発症しやすいという結果は得られなかった。さらに女性乳癌患者での食事調査では,閉経後乳がん患者に限定して解析した結果,乳がん患者において,大豆の摂取は関連なく,総食事摂取量,エネルギー摂取量,油脂および植物性脂質過剰摂取が有意に乳がんリスクと関係していることが示唆された。クルクミンの抗がん作用はアポトーシスが原因であり,ErkやAkt,mTORなどのチロシンキナーゼタンパクの下流のシグナル伝達の阻害によりもたらされるものではなく,アポトーシス誘導する機序の方がより優位であることが明らかとなった。また成人における食生活と身体状態との関連を検討し,肥満対策には食事摂取量よりも行動習慣を是正すること,すなわち行動変容がより重要であることが示唆された。さらに効果的な減量を促進するための新しいエネルギー制限食のレシピを開発した。(著者抄録)