抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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一般においしさ評価は官能評価によって行われているが,あくまで個人差を伴う主観的評価であるため,より客観性をもつ評価の必要性が生じている。特に食感は,食肉製品において重要な特性の一つであり,かつ客観的評価がより困難な特性でもある。食感は食品がもつ物性と関連性が強いとされており,機器測定による客観的物性値で,主観的な官能評価値を表すことができれば,物性値から嗜好性を推定できる極めて有益な手段となり得る。本研究では,機器測定による物性値と,人による官能評価特性との関連性を明らかにするため,低温乳酸発酵処理を含む種々の加工処理を施した16種類のモデルソーセージを作製し,これらの物性測定および官能評価を行い,両者の相関性について詳細に検討した。機器測定による物性値,人による官能評価値のすべての数値を標準数値化した後,主観的評価値と客観的評価値間の相関性を調べ,さらに重回帰分析により客観的評価値からの嗜好性の推定を試み,得られた推定式の有用性を検証した。その結果,「断面のきめ」,「ジューシーさ」,「歯ごたえ」,「断面の光沢」および「総合評価」の5つの官能評価項目,中でも「歯ごたえ」において客観的評価項目である機器物性値と多くの相関性が確認できた(p<0.05)。さらに重回帰分析を行った結果,官能評価項目の「断面のきめ」,「歯ごたえ」,「ジューシーさ」,「総合評価」の4項目について有意性のある(p<0.05)重回帰式を得ることができ,客観的評価結果から官能評価値を推定することが可能であることが示された。これらの式より算出した理論(推定)値は,実際の官能評価結果と比較した際,発酵ソーセージでは評価が低くなる傾向がみられたが,コントロールに対する変化としてはおおむね類似の傾向を示すことが確認された。(著者抄録)