抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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制御理論の講義に対し,ほとんどの学生は講義内容自体の理解が不十分であり,講義後にさまざまな試みを行なっても期待どおりの成果を挙げにくい状況にある。このような状況に陥っている主な要因は,教育の初期の段階でフィードバック制御(FB制御)の目的や意味が十分に伝わっていないことにあると考えられる。通常,最初の議義では導入のための説明がなされている。しかしながら,FB制御の教育においては,図・動画・言葉などによる説明だけでは十分ではないようである。そこで著者らは,理解の基礎を与えることを目的として,制御工学教育の最初に小型実験装置を用いてFB制御を体験させ,その有効性を確認した。このような実験装置を用いることで,FB制御の本質やFB制御にかかわる現象を多くの事前知識を必要とすることなく体験することができる。この実験装置は市販されている部品を用いて構成されており,部品の入手・製作のいずれも容易である。また,この実験装置の材料費も15,000円程度であるが,大量に製作するにはこれでも十分に安価とはいい難い。そこで,著者らの提案する体験講義をより安価かつ効果的に実現するために,実験装置の設計を変更することでコストダウンを実現した。本稿では,その概要を紹介する。本論文で示したシステムはすべてが安価かつ入手容易な汎用部品で構成されているため,将来的には大学だけでなく中学生・高校生でも製作できるようなキット化も検討している。