抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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韓国ではベビーブーム世代が企業から退職し,帰農者が増加している。日本では帰農者が定着するには地元住民と良好な関係を築くことが重要であると言われてきたが,韓国ではその点は十分検討されてこなかった。本稿は,韓国の帰農者の特徴を確認したうえで,帰農者と地元住民とがどのような社会関係をもつかを明らかにすることを目的とする。事例地域の密陽市において帰農者は,帰農後の所得によって2つのタイプに分けられる。高所得帰農者は前職を生かしながら農業経営の安定を図っているが,低所得帰農者は,住宅支援を受けることがその主な目的である。つまり帰農は都市労働者のセーフティーネットの役割を果たしている。また,韓国では比較的簡単に農地購入が可能であり帰農者の基準も緩いことも,低所得帰農者が混在する一因である。いずれの帰農者も,地元住民と社会的関係をもつよりも,帰農者どうしで関係をもつことが明らかになった。彼らはインターネット上でコミュニティーを形成し,地元農家から営農情報を得る必要性が低いことも,帰農者の地元住民との関係が弱くなっている要因である。(著者抄録)