抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本年度は次に示す3つの研究を実施した。1.減塩食に対する消費者の態度測定。本調査では,大学生の減塩食に対する知識と態度,及び実生活での減塩食の摂取行動を問う質問紙調査を実施した。Googleフォーム(日本人231名)及びWerjuanxing(中国人113名)による調査の結果を先行研究(オーストラリアでの調査)と比較したところ,日本・中国・オーストラリアともにほとんどの人が”塩分の過剰摂取は健康に悪い”と認識していたが,中国・オーストラリアの方が減塩に積極的な態度であり,減塩の実践頻度も高かった。また,減塩を日本は個人の問題として捉えていたが,中国とオーストラリアは社会の問題として捉えていた。さらに,日本の課題として,減塩に積極的な態度が形成されていない点が挙げられる。これらの結果から,教育・啓発による知識へのアプローチではなく,態度へのアプローチが必要であることが推察された。2.減塩食に対するイメージ調査。本調査では,「塩味」や「減塩食」などのキーワードから連想される色イメージを色パッチより選択させることにより,参加者のイメージを調査した。その結果,「塩味」からは青色系および白色の色イメージが連想されるのに対して,「減塩食」からは緑色系および赤色系の色が連想されることがわかった。この色イメージの相違が,前項で述べた知識と行動のギャップに影響を与えている可能性が示唆された。この結果は24th International Conference on Human-Computer Interactionに招待講演として採択され,2022年中にはプロシーディング集論文として刊行される予定である。3.市販の減塩食に対する脳応答の測定。この実験では,市販の減塩食と通常食を摂取している時の主観評定及び脳活動を比較することにより,減塩食の受容と通常食の受容の比較を行った。また,前述のように減塩食に対するイメージの影響を調べるため,パッケージ提示なし,正しいパッケージ提示あり,入れ替えたパッケージの提示ありの3条件を設定した。その結果,パッケージの種類に関係なく,減塩食は普通食よりも塩味が薄く,おいしさが低く評価されることがわかった。この時中心前回の脳活動が,主観評定と関連を見せることが明らかとなった。最終年度では態度・知識と行動・評価の関連について統合的アプローチから明らかにする予定である。(著者抄録)