抄録/ポイント: 抄録/ポイント
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槙峰鉱床は閉山から40年以上経過した現在,坑内における鉱石の観察は不可能であるが,槙峰郵便局下の綱の瀬川沿いの露頭では,泥質千枚岩中に胚胎している硫化物鉱石層を間近に観察することができる。2009年度資源地質学会若手会秋季巡検で観察した鉱石層は,泥質千枚岩中に最大で約30cmに達する層厚をもって分布している。鉱石試料は主に黄鉄鉱,黄銅鉱,閃亜鉛鉱,磁硫鉄鉱から構成されているのが肉眼で観察される。鉱石層はNE-SWの走向と北落ちの傾斜を示し,泥質千枚岩と整合に胚胎する。鉱石層の走向・傾斜が泥質千枚岩と一致していることは,未固結の泥岩に鉱液が浸透し,泥岩の堆積構造が構造的弱線となって鉱液の通り道になったためであると考えられる。槙峰鉱床の別子型鉱化作用には変形・変成作用は関与しておらず,泥岩の堆積とほぼ同時期に海底で鉱化作用が起こったと解釈される。