抄録/ポイント: 抄録/ポイント
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南海トラフ熊野沖OOST(out-of-sequence thrust,順序外断層)のいわば陸上アナログとして近年研究が行なわれている延岡衝上断層を対象として,2009年資源地質学会若手会秋季巡検を沈み込み帯における変形と流体移動という観点から行なった。延岡衝上断層は厚さ100mほどの大規模なせん断帯を伴い,その内部に石英・方解石・アンケライトなどの鉱物脈を多産するのが特徴である。巡検では延岡市東海付近の海食台に位置する断層露頭を観察した。ここではシュードタキライトがアンケライト脈を伴い,かつそれを切っているのが特徴である。アンケライトは断層面を充填する脈にのみ見られ,開口成分のみの脈は石英・方解石からなることから,断層運動時にFe
2+に富む還元的な流体が存在していたことが示唆される。アンケライトに伴う鉄の起源や移動過程,断層運動との関連について活発な議論が行なわれた。