抄録/ポイント: 抄録/ポイント
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長手方向に垂直に0.1,0.2と0.3mm深さの半円スリットを導入し,焼入れ,焼戻しを行ったSUP9試験片に,通常のショットピーニング(SP)と予引張応力負荷状態でショットピーニングを行う応力ショットピーニング(SSP)を実施し,平面曲げ疲労試験を行った。欠陥無し材と半円スリット材ともSPとSSPを施すことで疲労限度が向上した。深さ0.2mmの半円スリット材では,未SP材の破壊起点は半円スリット部で,SP材とSSP材の破壊起点は全て欠陥部以外の母材部であった。疲労限度は,未SP材では,半円スリット深さの増加に伴い低下したが,SP材とSSP材では,未SP材に対し向上した。SP材とSSP材では,スリット深さが0.2mm以下であれば,全ての試験片で半円スリットを無害化できた。深さ0.2mmまでの半円スリットを持つ試験片にショットピーニングした場合,停留き裂がSPとSSP試験片破面に複数確認されたが,すべてスリット以外の平滑部を起点として発生し,生地組織から発生したき裂の停留条件で疲労限度が決まることが明らかになった。深さ0.3mmのスリット材に予引張応力1250MPaを負荷後,ショットピーニングをせずに平面曲げ疲労試験すると,疲労限度は240MPaで,SP材やSSP材より低いが,未SP材の140MPaより向上した。砂時計型SUP9試験片の径4mmの最小断面部に0.15と0.3mm深さの半円スリットを軸方向に導入し,焼入れ,焼戻しを行い,ショットピーニングして,ねじり疲労試験を行った。深さ0.15mmスリット材のねじり疲労限度は欠陥無し材に比べ56%低下したが,SPを施した0.15mmスリットSP材の疲労限度は欠陥無しSP材と同等値まで向上し,SPによる無害化可能最大欠陥寸法は,深さ0.15mmとなった。