抄録/ポイント: 抄録/ポイント
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鉱物の結晶方位定向配列は,鉱物が転移クリープによって変形する過程において発達する岩石組織の一種である。鉱物の弾性定数は結晶方位ごとに異なり,それらの速度異方性の特徴はファブリックの種類および流れの方向に依存する。そのため,それらの鉱物の結晶方位定向配列の発達は,下部地殻や上部マントルにおける地震波速度異方性の主要な原因となる。本稿では,カンラン石の結晶方位定向配列に関する実験的研究のレビューを行うことにより,上部マントル条件下におけるカンラン石ファブリックについて総括した。最初に結晶方位定向配列の基礎として,どのように結晶方位定向配列が形成されるか,及びカンラン石の各種ファブリックについて解説した。次に単結晶変形実験と最も容易なすべり系とカンラン石の最も容易なすべり系と予想されるファブリックについて述べた。さらに,無水カンラン石(低圧条件下),カンラン石-玄武岩組成メルト,含水カンラン石(低圧条件下),カンラン石ファブリックの温度(応力)効果,無水カンラン石ファブリックの圧力効果,含水カンラン石ファブリックの圧力効果についてカンラン石多結晶体の変形実験とファブリックについて解説した。それに加えて実験方法の解説も加え,最後に今後の課題および展望について議論した。