抄録/ポイント: 抄録/ポイント
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平成29年7月九州北部豪雨によって発生した斜面災害の現地調査を行うとともに,これまでに公表された災害調査報告等を収集,整理した。今回の豪雨では,筑後川水系の北部にある三郡山地や英彦山南麓の狭い地域に集中して多数の斜面崩壊が発生していた。この地域に特徴的な崩壊発生の素因として,(1)三郡変成岩の片理面が流れ盤構造になった斜面を片理面より剥離した岩屑や風化物,崩積土からなる厚い土層が覆っていたこと,(2)杷木花崗閃緑岩の深層風化によって生成されたコアストーンとマサ土からなる厚い土層が地表付近に発達していたこと,(3)英彦山などの新第三紀火山から噴出した安山岩質溶岩や火山砕屑岩を起源とする崩積土層が斜面上部に厚く堆積していたことが挙げられる。こうした素因をもった地域に長時間強い雨が降り続いた結果,多数の斜面崩壊が発生して大量の土砂や樹木が河川に流入し,筑後川下流部での洪水・氾濫や流木災害へと波及していったと考えられる。(著者抄録)