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J-GLOBAL ID：201002208622459747   整理番号：10A0620951

食品分散系の品質-安定性・物性に及ぼす加工条件の影響-

著者 (3件)： 松村康生 (京大 大学院農学研究科) ,  松宮健太郎 (京大 大学院農学研究科) ,  宮本有香 (武庫川女子大学短大)
資料名： 日本調理科学会誌  (Journal of Cookery Science of Japan)
巻： 43  号： 3  ページ： 206-212  発行年： 2010年06月05日 
JST資料番号： Y0637A  ISSN： 1341-1535  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 食品の多くは分散系で,コロイド粒子が媒質中に分散して存在している状態である。食品分散系ではコロイド粒子の種類が単一でない場合が多く,粒子の表面や内部構造が複雑である。本稿ではエマルション,ゲル(カード)の2つの例を取り上げて,加工素材や加工条件が分散系食品に与える影響をまとめた。1)静菌性乳化剤の不安定化:油滴表面のα,β,κ-カゼインとβ-ラクトグロブリンが静菌性乳化剤により置換されてしまうために乳化状態の不安定化が促進される。2)異なった加工条件下で調製された脱脂粉乳のカードの形成:脱脂粉乳製造時の加熱殺菌により,乳清蛋白質であるα-ラクトアルブミンやβ-ラクトグロブリンは積算熱量の増加に伴って重合度が大きくなり,水に分散しにくくなることが分かった。また,加熱殺菌による積算熱量が低いほど脱脂乳分散液のレンネットによるカード形成が進みやすいという結果が得られた。

シソーラス用語： 食品 ,  分散系 ,  安定性 ,  物理的性質 ,  加工条件 ,  *コロイド ,  微粒子 ,  乳化剤 ,  *カゼイン ,  *カゼインミセル ,  ラクトアルブミン ,  ラクトグロブリン ,  *脱脂粉乳 ,  *乳加工 ,  *加熱殺菌 ,  熱量 ,  レンネット ,  カード【乳】 ,  凝乳 ,  αカゼイン ,  α-ラクトアルブミン ,  β-ラクトグロブリン ,  κカゼイン ,  コロイド粒子 ,  ベータカゼイン
準シソーラス用語： 静菌性乳化剤 ,  積算熱量 ,  不安定化

分類 (2件)： 食品の化学・栄養価  (FJ01020J) ,  乳製品  (FJ12023U)

引用文献 (17件)：

• EVERETT, D. H. コロイド科学の基礎. 1992, 1-52
• 北原文雄. 分散・乳化系の化学. 1979, 77-248
• DLCKINSON, Eric. 食品コロイド入門. 1998, 1-34
• 松村康生. 食品エマルションにおける乳化剤と高分子の働き. 新しい分散・乳化の科学と応用技術の新展開. 2006, 454-462
• 芝崎勲. 脂肪酸およびそのエステルの抗菌作用. 醗酵工学. 1979, 57, 164-176

タイトルに関連する用語 (5件)： 食品 ,  分散系 ,  安定性 ,  物性 ,  加工条件