抄録/ポイント: 抄録/ポイント
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ユニークなビッグデータを扱うものとして,人集団のコミュニケーションを定量・分析するツール,”ビジネス顕微鏡”が株式会社日立中央研究所で研究開発され,株式会社日立ハイテクノロジーズから製品化されている。ビジネス顕微鏡を用いてデータを取得・分析することで,今まで定性的にしか語られていなかった人集団内のコミュニケーションを,ネットワークとして可視化及び定量化することができる。さらに,ビジネス顕微鏡の分析結果に従い,組織全体を活性化するための施策を打つことも可能であり,ビジネス分野では多くの実績を出している。また,人集団や組織を研究対象としているアカデミック領域においても,新しい研究手法を確立できるポテンシャルを秘めていると思われる。本稿では,ビジネス顕微鏡について,その概要と適用事例,今後の可能性について紹介した。ビジネス顕微鏡の主要な構成要素は名札型センサで,IDカードのように首にかけるなど,体に装着して使用する。主さは35グラム程度である。名札型センサ内の主要な構成要素は,赤外線センサと加速度センサである。小学生や幼稚園児でもデータ取得ができる。名札型センサで取得したデータを,基地局パソコンにインストールされている専用プログラムで処理すると,被験者毎に行動分析結果が出力される。主要な例としては,「時間の使い方」,「対面コミュニケーション」,「ライフログ」,「Nステップネットワーク」がある。適用事例として,コールセンターでの受注率改善の事例を紹介した。また,大阪大学COISTREAM「人間力活性化によるスーパー日本人の育成と産業競争力増進/豊かな社会の構築」プロジェクトにおける共同研究の状況を紹介した。