抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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シートを使って調理する真空調理粥の加熱条件を検討するため,湯煎に使う水の量と鍋の大きさを変えて加熱し,粥の性状を比較した。厚手のアルミ大鍋を使用し,沸騰までの時間を約5分(S),約20分(M),約30分(L)の3段階に設定し,その後の沸騰継続時間はS:30分,M:15分,L:5分とした。いずれも計35分加熱した後,そのまま加熱を続ける「加熱」,消火して蒸らす「コンロ上蒸らし」,「コンロ下蒸らし」の3つの条件を加えた。Sの加熱速度については薄手のアルミ鍋を使用し,湯煎用の水量を少なくした条件の粥(S-アルミ鍋)も調製した。1)Sの加熱速度の粥は,粥飯粒の長さ,面積は大きく,粥メーカーで調製した粥にほぼ近い大きさであった。粥からの分離液量,遊離水分量は少なく,テクスチャー測定の結果では,かたさの値は低く,凝集性および付着性が大きい粥となった。官能検査においても粒の形が残っておらず,粘りが強い粥であると評価された。S-アルミ鍋の粥もSの粥と似た性状となり,官能検査では粒々感がなく,舌でつぶしやすい粥であると評価された。S,S-アルミ鍋の粥はMの粥よりも粒の形が残っておらず,飯粒表面に粘りを感じており,粥飯の粘りも強くなった。米から真空調理法により粥を調製するには,短時間で沸騰状態とし,その後の沸騰継続時間を長くとるSの加熱速度が適切であると考えた。また,湯煎に使用する水量の影響は小さかった。2)Lの加熱速度の粥は,粥からの遊離水分量,分離液量は多く,粥飯粒の長さ,面積が粥メーカーの粥より小さかった。テクスチャー測定ではかたさの値が高く,凝集性,付着性は小さく,加熱が十分でない粥の状態であり,適切な加熱速度ではなかった。3)Mの加熱速度の粥はSとLの中間的な状態であったが,S,S-アルミ鍋の粥よりは評価が劣る項目が多かった。4)加熱35分経過後コンロから下ろして蒸らすと,蒸らし中の温度低下が早まり,特にS-アルミ鍋の「コンロ下蒸らし」はややかたい粥となった。消火後の蒸らしの効果は「コンロ上蒸らし」で有効であった。5)米飯から調製した真空調理粥は,沸騰後20分加熱した後15分蒸らせば,米からの粥とほぼ同じ性状に炊き上がっていた。(著者抄録)