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J-GLOBAL ID：200902294130793636   整理番号：09A0022028

各種モノグリセリド中で加熱処理した澱粉の特性

Changes in Properties of Starches Heated in Monoglycerides

著者 (4件)： 伊藤友美 (愛知みずほ大) ,  安達卓生 (名城大 農) ,  小原章裕 (名城大 農) ,  山田哲也 (名城大 農)
資料名： 日本食品科学工学会誌  (Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology)
巻： 55  号： 12  ページ： 589-596  発行年： 2008年12月15日 
JST資料番号： F0895A  ISSN： 1341-027X  CODEN： NSKKEF  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 3種の澱粉(ウルチ種およびモチ種とうもろこし,小麦)を不飽和度の異なる脂肪酸組成の3種のモノグリセリド(ステアリン酸,オレイン酸,リノール酸)中で加熱処理(150°C,1時間)し,その澱粉特性を調べた。その結果,(1)SEMで澱粉粒の外観は,どの澱粉試料も変化が見られず,糊化,膨化していなかった。(2)DSCの糊化特性では,多価不飽和脂肪酸モノグリセリド中で加熱処理した澱粉のピーク温度が低下し,エンタルピーも減少した。(3)RVAの粘度特性では,不飽和度が高いモノグリセリド中で加熱処理した澱粉ほど粘度低下が著しく,特にモチ種のとうもろこし澱粉では粘性がほとんど消失した。(4)ヨウ素澱粉反応では,不飽和度の高いモノグリセリド中で加熱処理した澱粉ほど,アミロースの分解が進んでいた。(5)GPCの分子量測定では,ステアリン酸モノグリセリドが軽度しか分解していないのに対し,リノール酸モノグリセリドでは,デキストリンにまで極端に分解していた。(6)全ての測定において,ウルチ種のとうもろこし澱粉と小麦澱粉では挙動に差が見られた。これらの結果から,水分が殆ど存在しない条件下において,モノグリセリド中で加熱処理した澱粉は,外観では変化が見られないが,分子レベルではかなり分解し,特に脂肪酸鎖の不飽和度がこの分解に大きく関与していることが明らかとなった。(著者抄録)

シソーラス用語： モノグリセリド ,  熱処理 ,  *澱粉 ,  コーンスターチ ,  トウモロコシ ,  小麦澱粉 ,  走査電子顕微鏡 ,  示差走査熱量測定 ,  糊化 ,  パフィング ,  エンタルピー ,  粘度 ,  アミロース ,  ゲル浸透クロマトグラフィー ,  分子量測定 ,  デキストリン ,  *食品加工 ,  熱特性 ,  不飽和脂肪酸 ,  オレフィン化合物 ,  脂肪酸 ,  ジエン
準シソーラス用語： 多価不飽和脂肪酸

分類 (3件)： 澱粉  (FJ05030W) ,  食品の品質  (FJ01040F) ,  食品の加熱  (FJ03030I)

物質索引 (3件)： オレイン酸 ,  ステアリン酸 ,  リノール酸

引用文献 (12件)：

• 日高徹. 乳化剤の応用. 食品用乳化剤. 1991, 125-234
• KROG, N. Interaction of monoglycerides in dufferent physical stats with amylose and their anti-firming effects in bread. J. Food Technol. 1970, 5, 77-87
• 山田哲也. 糊化と老化. 澱粉科学の事典. 2003, 193-198
• 市川朝子. 高脂肪含量クッキーに関する研究-材料配合および貯蔵条件が性状・糊化度におよぼす影響-. 家政誌. 1985, 36, 935-942
• 和田淑子. クッキー生地作成過程における油脂の機能. 栄食誌. 1987, 40, 505-508

タイトルに関連する用語 (3件)： モノグリセリド ,  加熱処理 ,  澱粉