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J-GLOBAL ID：201702226257174952   整理番号：17A1812555

ニホンナシ未熟果のセミドライフルーツ加工適性

Suitability of Unripe Japanese Pear for Semi-Dried Fruit Processing

著者 (2件)： 藤原孝之 (三重県工研) ,  久保智子 (三重県工研)
資料名： 日本食品科学工学会誌  (Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology)
巻： 64  号： 11  ページ： 533-541  発行年： 2017年11月15日 
JST資料番号： F0895A  ISSN： 1341-027X  CODEN： NSKKEF  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 三重県工業研究所が開発した特許製法によるニホンナシの加工を振興するにあたり,台風による落果の利用や,加工時期の拡大を目的として,未熟果の加工適性を検討した。通常の収穫適期並びに適期より1,2および3週間前に,‘幸水’および‘豊水’の果実を採取した。果実の成熟に伴い,果肉硬度の低下,糖度,全糖および全糖におけるショ糖割合の上昇が見られたが,pHはほぼ一定であった。マイクロ波照射による前処理と熱風乾燥による製法により,それら果実を加工した。生果に対するドライフルーツの加工歩留りは,両品種および各採取日においてほぼ同等であった。採取初期の果実によるドライフルーツは,色彩の暗さや,わずかな表面硬化を示すとともに,適熟果のドライフルーツより破断応力が大きかった。熟度が異なる果実によるドライフルーツを用いて,順位法による官能検査を行った。採取初期の果実によるドライフルーツは,適熟果より硬く,甘くないと評価された。しかし,収穫適期より1週間前および2週間前の果実によるドライフルーツの外観,硬さおよび味に関する好みは,収穫適期のものとほぼ同等であった。ドライフルーツの酸味については,熟度が異なっても同等であった。ドライフルーツ表面のべたつきは,‘豊水’より‘幸水’の方が強く,また,両品種ともに熟度の進行に伴い強くなった。各ドライフルーツを5°Cおよび25°Cで12週間保存したところ,25°Cでは明らかな色彩の暗化が見られた。果実の熟度がドライフルーツの色彩変化に及ぼす影響は認められなかった。以上のことより,収穫適期から概ね2週間前までに収穫したニホンナシをドライフルーツに利用することが可能と考えられた。(著者抄録)

シソーラス用語： *ナシ ,  *乾燥果実 ,  *適性 ,  マイクロ波加熱 ,  乾燥 ,  果肉 ,  糖度 ,  食品レオロジー ,  歩留り ,  熟度 ,  破断強さ ,  時期 ,  *食品加工
準シソーラス用語： 未熟さ ,  加工適性 ,  熱風乾燥 ,  生産歩留り ,  収穫期 ,  色調変化 ,  ドライフルーツ

分類 (2件)： 果実とその加工品  (FJ11030Z) ,  食品の乾燥  (FJ03040T)

引用文献 (22件)：

• 1) 藤原孝之,久保智子(2013).ドライフルーツ,及びその製造方法.特許第5358772号,9月13日.
• 2) Fujiwara, T., Kubo, T., and Yamazaki, E. (2014). Novel dried Japanese pear fruit prepared by microwave irradiation pretreatment and hot air drying. Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku kaishi), 61, 27-33(藤原孝之,久保智子,山﨑栄次.マイクロ波照射および熱風乾燥により製造したニホンナシの新規ドライフルーツ,日本食品科学工学会誌).
• 3) Fujiwara, T., Kubo, T. Sago, T., Yamaoka, C., and Yamazaki, E. (2017). Development and dissemination of novel semi-dried fruit prepared by microwave irradiation pretreatment and hot air drying. Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku kaishi), 64, 177-181(藤原孝之,久保智子,佐合 徹,山岡千鶴,山﨑栄次.マイクロ波処理および熱風乾燥による新規セミドライフルーツの開発と普及,日本食品科学工学会誌).
• 4) Jacob, H.E. (1942). The relation of maturity of the grapes to the yield, composition, and quality of raisins. Hilgardia, 14, 321-345.
• 5) Christensen, L.P., Bianchi, M.L., Lynn, C.D., Kasimatis, A.N., and Miller, M.W. (1995). The effects of harvest date on Thompson seedless grapes and raisins. I. Fruit composition, characteristics, and yield. American Journal of Enology and Viticulture, 46, 10-16.

タイトルに関連する用語 (5件)： ニホンナシ ,  未熟 ,  セミ ,  ドライフルーツ ,  加工適性