抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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黒毛和種牛肉のBMSNo.(4,7,9)と脂肪酸組成(高,中,低)が既知の牛肉を用い,BMSNo.,性(去勢,雌)および脂肪酸組成が食味性に及ぼす影響を検討した。10名の訓練パネルを使い,BMSNoと性,モノ不飽和脂肪酸(MUFA)ごとに,それぞれ3頭分の牛肉,合計45頭分のサーロインを用い(BMSNo.9の雌は除く),10項目のパネルテスト項目について,8段階評価尺度で評価を行った。BMSNo.の4,7,9の間にはMUFAの差は認められず,雌が去勢よりMUFA,C18:1の割合が有意に高かった。MUFAの高中低の平均はそれぞれ,53.41%,56.74%,60.09%だった。パネルテストの結果,BMSNo.は,「好ましいうま味」を除く全ての項目に影響しており,BMSNo.の高い方が全ての項目で優れた。性の効果は,「風味の強さ」で有意であり雌が去勢雄より優れた。さらに,モノ不飽和脂肪酸の効果は,「線維感」と「総合的食感」で有意だが,モノ不飽和脂肪酸高が中や低よりも評価が低い結果となった。しかし,「風味の強さ」ではモノ不飽和脂肪酸高が低よりも優れる結果となった。MUFAは「風味の強さ」に対しては良い影響を及ぼすが,破断応力と有意な正の相関を示し,割合が高いほど硬い肉であることが示唆された。逆にSFAは「風味の強さ」とは負の,破断応力とは負の相関を示し,肉がやわらかいことが示唆された。MUFAが中程度の場合,「風味の強さ」が良いことが示された。さらに,「総合判定」についてもMUFAが高低よりも中程度で評価の高い結果が得られた。(著者抄録)